EPS工法(発泡スチロール土木工法)

EPS工法とは?

EPS工法(発砲スチロール土木工法)とは?

EPS工法とは、大型の発泡スチロールブロックを盛土材料として積み重ねていくもので、材料の軽量性、耐圧縮性、耐水性および積み重ねた場合の自立性等の特徴を有効に利用する工法です。軟弱地盤上の盛土、急傾斜地盛土、構造物の裏込、直立壁、盛土の拡幅などの荷重軽減および土圧低減をはかる必要のあるところに適用できます。地盤処理、仮設工事などが簡略化されるなど全体工期が短縮できます。さらに、完成後の維持管理を含めた全体工事費を低減できるなど、数多くのメリットを持っています。

EPS工法の特徴

土地の有効活用が可能

超軽量・幅広い適用性

・EPSブロックの単位体積重量の0.12~0.35kN/㎥と土砂やコンクリートの約1/100
・軟弱地盤上の盛土として適用する場合、荷重を大幅に軽減でき、軟弱地盤の沈下・支持力不足等の問題を解決

容易な施工

自立性

・EPSブロックを直立に積み上げた場合、自立面が形成され、その上に荷重が作用しても側方への変形は小さい
・構造物背面に設置して土圧を大幅に低減可能

広範囲な地盤条件に対応

圧縮性

・圧縮強度が高く、道路盛土材として必要な強度を有する
・粘着力や内部摩擦角という概念はなく、耐圧縮材としてブロックを構築

騒音を抑えた構築が可能

施工性

・人力施工が可能。施工期間が短く、軟弱地盤上、急傾斜地、狭隘な場所など、大型重機の使用が難しい所での施工が可能
・現地に合わせた加工が容易

幅広い適用性

工期短縮・経済性

・地盤処理、仮設工事等が簡略化でき、全体工期を短縮
・完成後の維持管理を含めた全体工事費の低減

EPS工法の活用シーン

EPS工法は、様々な分野に適用します。

EPS工法(発砲スチロール土木工法) 拡幅盛土

拡幅盛土

EPS工法(発砲スチロール土木工法)橋台裏込め

橋台裏込め

EPS工法(発砲スチロール土木工法)構造物保護

構造物保護

EPS工法(発砲スチロール土木工法)護岸裏込め

護岸裏込め

EPS工法(発砲スチロール土木工法)型枠(中空橋脚)

型枠(中空橋脚)

EPS工法の壁面について

EPS工法の外面には紫外線による劣化や周辺火災による熱溶融などから保護する壁面材を設置します。EPS工法の当初期はH 形鋼などの支柱に壁面材を取り付けた構造が多かったですが、近年は重機不要でクリープ影響を受けにくい壁面製品も種類多く普及しています。
壁面構造については各現場に最適な構造をご提案しますのでご相談ください。

(1) 支柱取付の壁面
EPS工法(発砲スチロール土木工法)オーソドックスな支柱式.png

オーソドックスな支柱式


EPS工法(発砲スチロール土木工法)軽量支柱タイプ.png

軽量支柱タイプ

 
(2) 支柱無しの壁面
EPS工法(発砲スチロール土木工法)アンカーボルト取付型.png

アンカーボルト取付型


EPS工法(発砲スチロール土木工法)溝加工取付型.png

溝加工取付型


EPS工法(発砲スチロール土木工法)金具取付型.png

金具取付型

FAQ

EPSはどういう場所に適用できますか?
軟弱地盤上の盛土、急傾斜地盛土、構造物の裏込、直立壁、盛土の拡幅などの荷重軽減および土圧低減をはかる必要のあるところに適用できます。
EPSの重量は?
1個(1m3)あたり12kg~45kgです。土砂1m3(約1.8トン)と同じ体積を人力で運搬できます。
EPSは地下水位が上昇しても大丈夫なのか?
地下水が上がれば浮き上がろうとします。
従ってEPS工法の採用にあたって地下水位上昇の最高水位を知って設計しておく必要があります。
対策としては上部に土やコンクリート板を置いたり、アンカーや躯体と一体とさせたりする抑止工や水位の上昇を押えたり排水性を良くしたりする抑制工が上げられます。
EPSは燃えないのか?
火気には十分注意が必要です。
EPSはJISA-9511規定を満足する難燃加工をしていて、簡単には火が付きませんがやはり火が付くと大変なことになります。
ですから、木材を大量に持っていると思い消火器を配置して十分な管理が必要です。
ただし、施工が完了すれば土やコンクリートの断熱効果により、火気に対して安全となります。
耐薬品性に対しては大丈夫なのか?
いわゆる溶剤と呼ばれる、芳香族の化学薬品には弱く溶けてしまいます。
地下水中に多量に混入することは考えられませんが、上部からの浸透がありえますので土木シートで覆う対策が必要となるでしょう。

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