屋上・地下・外構の軽量化・土圧低減の実現に建築・ランドスケープ版 「軽量盛土工法」活用事例

1.建築の屋上や地下、外構計画における「荷重制限」の課題
建築やランドスケープの計画において、「土」や「コンクリート」は不可欠な要素であると同時に、 厄介な「重量物」でもあります。
-荷重制限の課題-
・既設構造物への影響:地下空間にかかる荷重が懸念され、地下空間や老朽化した構造物等の埋め戻しができない。
・沈下リスク:盛土で地盤沈下の恐れがあるが、地盤改良等の大がかりな工事ができない。
・荷重制限:屋上スペースの計画時に、荷重制限があり、思い通りの地形(スロープや植栽)が作れない。
・施工困難:狭いピット等の地下空間は、重機を入れることができず、通常の土では埋め戻しが難しい
これらの課題を解決するのが、土砂の数分の一〜1/100の軽さである「軽量盛土工法」です。
2.軽量盛土工法とは
軽量盛土工法は、盛土自体を軽量化することで、地盤への負荷を軽減する工法です。 ブロック形状のもの、骨材(砂利や砂)、液体を固化させるものなど様々な種類があります。 現場の条件に合わせて選定することが可能です。軽量盛土工法は、盛土自体を軽量化することで、地盤への負荷を軽減する工法です。 ブロック形状のもの、骨材(砂利や砂)、液体を固化させるものなど様々な種類があります。 現場の条件に合わせて選定することが可能です。 
3.建築・ランドスケープにおける軽量盛土工法の活用
土木では、幅広く様々な工種が使用されますが、今回は、建築で使用例が多い「EPS工法」と「スーパーソル」について取り上げてご紹介します。
①発泡スチロール土木工法 EPS
特徴: 大型の発泡スチロールブロックを積み上げていく工法です。 土砂の約1/100という「超軽量」と、「自立性」(固化したブロックのため)が特徴です。
②廃ガラス発泡軽石工法(スーパーソルなど)
特徴: 廃ガラスを粉砕焼成発泡させた、多孔質な軽量発泡盛土材です。 無数の孔が空いている多孔質構造で、土の1/5~1/6の軽さです。
これらの軽量盛土工法は、下記のような様々な用途で採用されています。 特に地盤や既設の躯体への影響を軽減させたい場合に検討されるケースがあります。
【活用例】地下空間の間詰事例
老朽化・廃止された地下構造物の埋戻しに最適です。超軽量素材を使用するため、周辺の既存躯体への負荷を最小限に抑えられます。
活用メリット:騒音、粉塵が少なく工期が短い・人力施工が可能で、地下空間の制限下でも施工可能
①機械式駐車場の撤去ピット埋め戻し
立体駐車場の平面化計画に、閉所作業でも人力施工ができ、短期間で容易に空間充填が可能な軽量盛土工法を採用。
工法:EPS・スーパーソル
[課題]立体駐車場の維持補修費軽減のため、廃止したい。
[施工後]軽量盛土により地下空間を埋め戻し、平面駐車場として利用
②地下道廃止の間詰
地下空間に軽量盛土を敷き詰め、万が一、老朽化により、躯体が荷重を支えられなくても、問題ない構造に変更。
工法:EPS・スーパーソル
[課題]使われていない地下道が老朽化により損傷
[施工後]EPSにて空間を充填。地下道を廃止。
【活用例】重量制限のある屋上で緑化・植栽やスペースの嵩上げ
積載荷重に制限がある屋上や人工地盤上でも、軽量盛土材なら安全に盛土・造形が可能です。
①屋上嵩上げ(段差やスロープ)
工法:EPS・スーパーソル
[適用箇所]
・緑化をしたいが、積載荷重に制限がある箇所。
・屋上に階段やステージ、スロープを設置したい。
②植栽基盤の軽量化(屋上やペデストリアンデッキ)
工法:スーパーソル
軽量なスーパーソルは、植栽基盤を軽量化することができ、荷重制限のある屋上、ベランダ緑化工事に適しています。更に、植物の根の成長に必要な空気を取り入れ、水もちと水はけの良い土壌を作ります。
【活用例】建物基礎地盤の沈下対策
軟弱地盤上の建築計画において、地盤沈下対策として採用されます。
①建築物の床の嵩上げ
工法:EPS
物流倉庫や工場において、荷下ろしや搬入をスムーズに行うため、トラックの荷台高さまで床を嵩上げしたいというニーズに対応します。EPSで嵩上げすることで、建築物基礎への影響を最小限にすることができます。
②建築物基礎部に地盤置換
工法:スーパーソル
軟弱地盤上に燃料タンクやトラックスケールなどの構造物を設置する場合、内容物の重量や通過する車両の重量が加わり、地盤への負荷が変動するため、地盤対策を行う必要がありますが、軽量で強度のあるスーパーソルを使⽤することで、沈下対策を行うことが可能です。
【活用例】建築外構部の軟弱地盤対策
建物本体だけでなく、外構部での荷重軽減・土圧低減にも幅広く対応します。
①建物周囲の嵩上げ(スロープなど)
工法:EPS・スーパーソル
建物周囲の外構部に嵩上げ盛土やスロープ(地下駐車場や高さが異なる建物へのアクセス)などを設置したい場合、土の代わりに、軽量盛土を設置することで、地盤対策が可能になります。
②沈下対策工事 埋設物保護および維持管理
工法:EPS・スーパーソル
都市部における計画では、外構部の地盤を改良したいが、「大型重機を搬入できない」「埋設物があり、改良することができない」など課題があります。軽量盛土で置換することで、改良をせずに地盤対策を行うことができます。埋設管保護、維持管理として有効です。
③建物周囲の地盤の嵩上げ盛土・スロープなど
工法:EPS
軟弱地盤の上に立てる建物の基礎部に土の代わりに、超軽量EPSを設置することで、下部地盤沈下防止や、地盤改良の代用として地盤対策が可能になります。
④擁壁背面(裏込め盛土材)荷重軽減対策
工法:EPS・スーパーソル
擁壁の裏込め盛土材として使うことで、軟弱地盤上でも地盤への負荷を抑えながら敷地を拡張することが可能です。
※事例のEPS工法は盛土材として使用するものであり、EPSブロック単体で「擁壁」としての大臣認定を受けているわけではありません。大きな盛土や工作物の設置には、建築基準法に基づき「工作物確認申請」が必要となります。
【活用例】公園盛土

公園や広場において、地盤に負荷をかけずに盛土を形成します。
工法:EPS・スーパーソル
公園盛土として 公園や広場などにおいて、土の代わりに軽量盛土で盛土をすることで、地盤に負荷をかけずに盛土をすることができます。軟弱地盤上の盛土工事では、完成後に継続する沈下も抑制できるため補修等の維持管理費が少なくて済み、経済的になります。
4.技術Q&A
Q. 軽量盛土の選定方法は?
A. 「形状」と「施工条件」で選定します。広い空間で大幅な軽量化が必要な場合、または構造物にかかる側圧を抑えたい場合はEPS、複雑な形状や狭い隙間への充填が必要な場合は軽量骨材が適しています。その他にも、水位や地耐力、経済性や環境性等でも選定します。両方を組み合わせたハイブリッドな提案も可能です。
Q. 上に家屋や駐車場を作っても大丈夫ですか?
A.はい、可能です。適切な設計(荷重分散のための床版コンクリート設置など)を行うことで、上部に建築物や車両荷重のかかる道路を構築できます。
Q. 耐油性・耐熱性は?
A.スーパーソルはガラス原料の無機系資材のため、耐油性・耐熱性に優れています。 EPSは油分や高熱に弱い性質がありますが、耐油性シートでの保護や適切な被覆により、耐性のある材料選定により対応可能です。ガソリンスタンド周辺や工場内での実績もございます。
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