【夏休み自由研究におすすめ】土木構造物で遊ぼう

1.高い砂山をつくってみよう (難易度:やさしい★)
【チャレンジ】
サラサラの砂に葉っぱを混ぜて、高い砂山を作ってみよう
同じサイズの紙の上で、どれだけ高い山を作ることができるかな?
ケース1 A4用紙の上で普通に可能な砂山を作ってみよう
【必要なもの】
・砂
・A4の紙

ケース2 砂に葉っぱを混ぜてA4用紙の上で砂山を作ってみよう
【必要なもの】
・砂
・葉っぱ
・A4の紙
大人が本気で作ってみました

【Q&A】
Qなんで砂がくずれないの?
A葉っぱが砂に加わることで、葉っぱと砂の間の摩擦が砂つぶ同士をくっつけるような性質となって崩れにくくなります。
ケース1とケース2、それぞれの砂山の頂上をにお子様に踏ませてみてください。
崩れにくくなっていることがさらにハッキリ実感してもらえると思います。
テールアルメの歴史
発見者のAアンリー・ビダール(H.Vidal)氏は砂山に松葉を差し込むことにより、
ただの砂山より高い砂山が作れる事を発見しました。
『粘着力のない砂に補強材を順次層状に埋め込むと、補強材と土の間に働く摩擦力により
粘着力が加わったような盛土材料となる。』という結論に達しました。
この性質を利用して構築された盛土をテールアルメと名付け工法が誕生しました。
▶工法の詳細はこちら
2.アーチ橋をつくってみよう (難易度:かんたん★★)

ホントは上のような形が実験としては理想的ですが、両がわの基礎の作成が難しいので、
下のように簡略化します。頂上のブロックだけ上にのることができます。

【チャレンジ】
発砲スチロールだけでアーチ橋を作ってみよう
【必要なもの】
・発砲スチロールのレンガ(100円ショップ等でご用意してください)
・分度器、定規
・切断用カッターナイフ
・ケガ防止用てぶくろ(スベリ止め付き軍手など)
・仮止め用テープ(ガムテープなど)
【作り方】
①発砲スチロールを台形に切る
72°の角度で切る
(カッターナイフを使うときはケガをしないように、ご注意してください)
② ①のブロックを全部で5コ作る
③外側へ動かないようにしてブロックを積み重ねたらアーチ橋の完成
大人が本気で作ってみました

【Q&A】
Qアーチ橋ってなに?
Aアーチ橋は、上に凸な弓なりの構造体を用いて荷重を圧縮応力だけで支える「アーチ構造」の橋です。
図に示すように、荷重がアーチ部材の内部において圧縮力に変換され、両端の支点へ伝達されます。

Qどんなところで使われているの?
Aアーチ橋では、断面(だんめん)内に一様な圧縮力(あっしゅくりょく)のみが発生し、曲げが発生しにくく、
たわみが少ない構造(こうぞう)になっています。
日本では、長崎(ながさき)の「めがね橋」、岩国(いわくに)の「錦帯橋(きんたいきょう)」 が有名です。

3.レオナルド橋をつくってみよう (難易度:むずかしい★★★★)

【チャレンジ】
割りばしでレオナルド橋を作ってみよう
【必要なもの】
・割りばし
【作り方】


大人が本気で作ってみました

【Q&A】
Qレオナルド橋ってなに?
Aレオナルド・ダ・ヴィンチが考案した、「アーチ橋」 です。構造材の組合せによって、
くぎなどを使用せずとも自立し、 また簡単に組立解体、
そして持ち運びができるようにと考えられました。
「ダ・ヴィンチの橋」「サルバティーコ橋」とも呼ばれています。

Qどうして自立するの?
A均等にお互いを支えあっているため自立できます。
ポイントは部品それぞれに加わる「摩擦力」と「重力」です。
それぞれの力を考慮するために、便宜上、画像で左右に伸びている木を「棒」、
前後(手前から奥)に伸びている木を「杭」とします。

①摩擦力について考えましょう。
杭と棒、棒と地面は接しており、それぞれには摩擦力が働いているので
杭が飛び出したり、滑り落ちたりすることはありません。
②次に棒や杭に働く重力を考えましょう。
一番シンプルなレオナルドの橋で考えてみます。
この橋は2つの杭(①、②)と2つの棒(A、B)で成り立っていますね。

棒Aには重力が働いているため下向きの力が生じます。
しかし、杭②によって支えられているため、崩れることがありません。
では杭②はどうでしょうか。杭②には自身にかかる重力と
棒Aからの力が働いていますが、棒Bに支えられています。
そして、棒Bにも同様に下向きの力が加わっていますが、
杭①によって支えられているため崩れません。
もちろん杭①も棒Aに支えられていますね。
力の流れは次のようにループしています。
棒A → 杭② → 棒B → 杭① → 棒A
橋を構成する一部の部品に力が集中することなく、
均等にお互いを支え合っているのが分かりますね。
これがレオナルドの橋が自立できる理由です。
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いかがだったでしょうか?
楽しい夏休みをお過ごしください。