\NEW/狭隘地・急傾斜地での支持力対策に新たな選択肢。「High-S(ハイエス)工法」とは?

\NEW/狭隘地・急傾斜地での支持力対策に新たな選択肢。
「High-S(ハイエス)工法」とは?
建設現場における大型重機(地盤改良・杭打機等)が進入できない狭隘地や、支持力が不足する現場での解決策が求められています。
今回は、ヒロセ補強土株式会社が開発した、マイクロパイリング領域の隙間を埋める新技術「High-S(ハイエス)工法」について、その構造的特徴と、初実績の道路災害復旧工事での事例をもとに解説します。
1.High-S工法とは
まず、弊社が保有している既存商品についてご説明いたします。
弊社にはすべり補強と構造物支持用途で使用する「EPルートパイル工法」と構造物支持と橋脚等の耐震化補強用途で使用する「高耐力マイクロパイル工法」があります 。
どちらも杭径が300mm以下となっており杭径の細いマイクロパイリングに分類されます。
既存工法のご紹介
EPルートパイル工法(φ115mm、φ135mm)
宅地擁壁背面・切土法面の補強といった「斜面安定用途」、擁壁やテールアルメ工法の下部を支える「構造物の支持補強用途」に使用されます。
高耐力マイクロパイル工法(φ178mm、φ219mm)
重量構造物(橋脚・橋台・鉄塔等)の支持補強や既設構造物の増し杭の用途に使用されます。
そして、昨年度、これらのラインナップに加えて、既存2工法の間を埋める構造物支持用途の「High-S工法」を新たに開発し、リリースいたしました 。
High-S工法は、斜面上の支持力補強を目的として開発された地盤補強工法です。上記2つの工法の中間に位置する「小口径鋼管(φ140mm)」を用いた工法として開発されました。細径鋼管杭と定着部に膨張性セメントによるグラウトを行うことで、高支持力、高剛性の杭を小型ボーリングマシンのみで施工を可能にした工法です。
急斜面・狭隘地、礫・玉石混じり地盤での大型重機の搬入ができない箇所において、コンクリ―ト擁壁、補強土壁、軽量盛土等の支持力補強対策としてを使用ができます。
High-S工法の特徴
【1】小口径・高剛性な鋼管杭
・高剛性の鋼管杭のため、杭自体の強度と支持力で荷重を支持
・小型ボーリングマシンによる施工が可能
【2】支持層で強固に定着
先端にアウターリングビットを装着した鋼管で地盤を削孔し、グラウトを加圧注入することで、高い周面摩擦力度を得て、地盤と強固に一体化した杭を形成
部材仕様

施工手順
1.削孔 → 2.鋼管引き抜き → 3.グラウト注入 → 4.鋼管再挿入
施工機械

(※写真はイメージです)
2.設計・施工のメリット
High-S工法のメリット
【1】急傾斜な場所で鋼管杭の施工が可能
小型のボーリングマシンでの施工が可能です。
・単管足場上での施工が可能
・空頭制限(高さ制限)のある場所でも施工可能
・大型重機搬入路の造成が不要
【2】狭隘な場所で施工が可能
鋼管杭の施工機械としては非常に小型なため、従来の施工幅よりコンパクトな計画が可能になり、
基礎幅が小さい構造物の支持が可能です。二次的には現道確保が選択可能になります。
【3】構造的信頼性の担保
High-S工法は、公益社団法人日本道路協会の「道路橋示方書・同解説(平成24年3月)」他の考え方を踏襲して設計されており、模型実験や数値解析によってその性能評価が行われています。従来の地山補強土工法とは異なり、杭としての変形量の照査が可能であるため、構造物支持において高い信頼性を確保できます。
3.【初実績】道路災害復旧工事での事例
High-S工法が初めて採用された千葉県の道路災害復旧工事(ブロック積擁壁の支持補強)における、EPルートパイル工法からHigh-S工法に変更した事例をご紹介します。
現場について
(現場状況)
豪雨により崩壊した「道路の災害復旧工事です。急斜面上に設置する高さ約15mの足場上の非常に狭小な場所での作業となり、小型の機械での施工が必要でした。
(施工地)
千葉県
(課題)
生活道路としてだけでなく、観光用の道路としても重要な路線であり、1日でも早い復旧が求められていました。
(工事内容)
道路擁壁の下部地盤の支持補強を目的とした道路災害復旧工事です。足場上から小型の削孔機(ロータリーパーカッションのスキッドタイプ)を用いて鋼管で削孔した後、セメントミルクを注入する事で構築する小口径鋼管杭です。
(採用理由)
EPルートパイル工法で工事発注されていましたが、より工期短縮が可能となるHigh-S工法への工法変更を提案し採用となりました。
(高評価いただいたポイント)
・工期短縮(削孔日数:12日→6日)
・足場上からの施工が可能であった
(お客様の声)
「削孔の速さや静音性にとても驚いた、採用してよかった」と嬉しいお言葉をいただきました。
■工法変更の提案による効果
当初設計のEPルートパイル工法からHigh-S工法に変更したことで、杭の剛性が高まるため、杭本数を大幅に削減。結果として、削孔日数は設計当初の12日から短縮され5日で完了しました。また、無事故無災害で完工し、発注者からは施工の速さと静穏性が高く評価されました。
■導入への懸念払拭のポイントとは?
実績のない新工法への変更にあたり、以下のポイントが評価されれ、施工業者様・発注者様・設計コンサルタント様のご理解とご協力をいただきました。
①工期短縮・コスト削減
②構造の信頼性の証明
・道路橋示方書という日本国内の橋や高架道路などの設計に用いる技術基準の考え方を踏襲
・模型実験と数値解析による構造の信頼性
③実物大実験にて工法の安全性を証明
・リリース前の実物大実験での杭の載荷試験による支持性能の確認
4.まとめ(High-S工法はどのような現場に最適か)
High-S工法は、以下のような条件の現場において、設計・施工の両面での選択肢となります。
・工期が逼迫しており、大幅な短縮が必要な現場
・大型重機が入れない狭隘地や、急傾斜地での構造物支
・回転杭では施工できない玉石混じり層・礫層の現場(※ボーリングマシンで施工可能)
省力化と施工スピードが求められる「i-Construction 2.0」の時代において、High-S工法はマイクロパイリング領域の新たなスタンダードとなる可能性を秘めています。
本記事でご紹介したHigh-S工法・解析技術をはじめその他の工法についての
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