がけ崩れ災害防止工事/網状鉄筋挿入工(EPルートパイル)採用事例
概要
急傾斜地では対策箇所と家屋が近接し、重機等の進入が困難な場合があります。このような箇所でも圧縮補強タイプでの計画により事業実施がなされ、がけ崩れ災害から住民の安全を確保することに貢献しています。
EPルートパイル工法の特徴
①二重管(ケーシング保孔)による削孔により地盤の種類を選ばない杭造成が可能
②構造物掘削を最小限にできるため、交通規制を最小限に抑える事が可能
③施工機械が軽量・小型であるため狭隘な場所でも施工可能
④地山の状態を確認しながら、施工ができるため安心である
⑤緊張力を与えない地山補強土工法のため、パイル本体の維持管理が不要となる
補強方法について
EPルートパイル工法には,補強材を斜面垂直方向(最小主ひずみ方向)に配置する“引張補強”と,鉛直方向(主応力方向)に配置する“圧縮補強”の主として2通りの補強方法があります。ともに補強材を2方向以上に配置することを特徴として,土の変形拘束効果を高めて地盤補強をするものです。近年では、施工ヤード・用地境界等の施工制約の ある現場や既設構造物を改修・強化して継続利用を図る工事が増加しており,それらの条件をクリアできる対策工として,“圧縮補強”が増加しております。
圧縮補強について
移動土塊にEPルートパイルを打設する事で、パイルに囲まれた補強体(点線部=土とグラウトと芯材の複合体)が構築され、補強体自重・見かけの接地面積により、すべりを抑止します。補強体に作用するすべり力を鉛直成分(Pv)と水平成分(Ph)に分解し、補強体の検討基準面における応力状態が安定しているか検討します。
施工
ボーリングマシーン(ロータリーパーカッション)のクローラー又はスキッドで施工できます。小型かつ軽量なため、単管足場で施工ができ、高所や休憩な斜面、重機が進入できないような現場でも対応可能です。